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京創舎Blog

メンバー紹介
2020年02月27日(木) #スタッフ日記  #京創舎の日常  #会員さん紹介 

仕事も、働き方も、後悔しない道を進む 「フォグランプ」クリエイティブディレクター・橋本祐介さん

スタッフの三上です。今回は京創舎の会員さんのインタビューをお届けします!京創舎には、魅力的な会員さんがたくさんいます。その方々が「どんなお仕事をされているのか」、「どんな思いをもって仕事に取り組んでいるのか」をもっとたくさんの方に知っていただきたいと思い、インタビューを行いました。ぜひ、ご一読ください。


2019年10月より京創舎に仲間入りした「株式会社fog lamp(フォグランプ)」の橋本祐介さん会社案内や学校案内、採用パンフレットなどを中心としたデザイン制作を行っています。社長と2人きりの会社でありながら、コワーキングスペースを選び、稼働時間も自分で采配して働く。「会社員でありながら、なぜ京創舎で働くのか」。そこには今まで歩いてきた道のりや、会社との関係性が大きく関わっていました。仕事に対しても、働く環境に対しても「後悔したくないから」とおっしゃる橋本さん。今回のインタビューの中で、その言葉の真意を知ることができました。

クリエイティブのルーツは「スポーツ新聞」

ーー橋本さんは、企業やお店のパンフレットやWEBなどの広告・宣伝ツールを作るお仕事をされているとお聞きしています。

分かりやすく、すべてを包括した名前でいうと「クリエイティブディレクター」ですね。主に企業や学校案内のパンフレットやWEB制作を請け負っているんですが、ディレクションからライティング、デザインも基本的にすべて僕が担当しています。

ーーなぜこの仕事に就かれたのでしょうか

そもそも僕はマスコミに就職したいと思っていたんです。幼稚園のころから、テレビで野球を見るのが好きで、小学生になると親と飲食店へ行く度に、店に置いてあるスポーツ新聞を読むようになりました。一般紙だと野球選手の打率が10位までの成績しか載っていないけれど、スポーツ新聞だと30位まで載っているんですよ。しかも盗塁やヒットの数まで!それを読むのがとにかく楽しみでした。スポーツ新聞を読むうちに、自然と文章を読むのも書くのも好きになりました。言葉も知らず知らずのうちに、文語体のような話し方になっていって。

ーー橋本さんの丁寧な言葉遣いは、新聞の影響だったんですね!見る方が好きだったということですが、部活や地域のチームに入ったりしなかったんですか?

中学校ではサッカー部の体験入部に行きましたが、やはりプレイするより見る方が好きだとわかり、長続きしませんでした。そのかわりに趣味でスポーツ記事のスクラップや、自分なりに分析してまとめ記事みたいなものを作っていたんです。高校を卒業してから進学した同志社大学に「スポーツ新聞部」があったので、すぐさま入部しました。そこで初めて、自分が書いたものを誰かが読んでくれる満足感に気づいたんです。

ーーどんな活動をされていたんですか

大学内のラグビー部や野球部などの部活動の活躍を伝える「ATOM」という新聞を、年に6回発行していました。先輩にダメ出しをされながら、文章を書き上げる。締め切り前の徹夜はざらでしたね(笑)。できた新聞は同志社大学内で配布したり、ラグビーや野球の試合の時は会場まで行って、観客に手渡ししたり。毎年観覧しているラグビー好きなおっちゃんが、「今年同志社どうやねん」とか言いながらもらってくれるんですよ。

ーー卒業後は、記者の仕事に就こうと思っていたんですか

そうですね。でもマスコミや新聞社は、狭き門だとわかっていたので「書く仕事、表現する仕事」と枠を広げて就職活動をしていました。クリエイティブな広告やデザインに関わってみたいという気持ちもあって、大阪の制作会社に入社を決めました。

コピーライティングの魅力

ーー制作会社ではどのような仕事を担当していたんでしょうか

東京に本社がある制作会社で、僕は大阪支社の唯一の新入社員だったんです。支社自体もできて1年目で、営業も、ディレクションも、ライティングもやらないといけない。教育担当の先輩に、広告はどうやって作っていくのかをイチから教えてもらいながら、デザイン以外は何でもやりました。その中でも特に叩きこまれたのが、ディレクションです。クライアントが何を求めているのか、求めるものに応えるためにどんな表現が必要なのか。この時培ったディレクション能力は、今でも僕の生命線になっています。

ーーここでディレクターとして歩み始めたんですね

そうです。でも2年経ったころに、教育担当をしてくれた先輩が辞めて独立することになりました。そのことをきっかけに、僕自身のやりたいことって何やろうと思い始めて。考えた上で、コピーライターとして仕事ができる環境に移ろうと決意しました。制作の中でもコピーを考えることが好きでしたし、もっと勉強したいという欲求が強くなっていたので、コピーライターとして働ける会社を探しつつ、宣伝会議の講座に通いました。

ーーコピーライティングのどんな所に魅力を感じたのですか

コピーライティングって、短い文章の中で本当に言いたいことを表現するという面白さがあると思うんです。例えば、「そうだ、京都行こう」というJR東海のCMで長年使われているキャッチコピー。あれは、東京ー京都間の新幹線が増発した時に生まれました。それまでは本数も少ないため、段取りをしたうえで京都に行かなければならなかったのですが、増発したことにより『そうだ』と思い付きで京都に行けるようになった。あの短い文に背景やメッセージが隠されているんです。コピーライティングは、ものの新しい価値を見つけ出すことのできる仕事なんだと思いましたね。

フォグランプとの出会い

ーーその後はコピーライターとして就職されたんですか

いや、それがなかなか難しくて。勤めた会社の雰囲気になじめなかったり、かなりのハードワークで徹夜仕事もざらだったり。知識やさまざまな経験を得ることはできましたが、この環境で仕事を続けていくことに自信がもてませんでした。そんな時に最初に勤めた会社の、教育担当だった先輩から声をかけてもらったんです。「一人ぐらいは雇えるようになったから、お前そろそろくるか」と。それで先輩の会社に入社することを決意しました。

ーーそれが今の会社なんですね

先輩ともう一人、今の社長が立ち上げた会社が「フォグランプ」でした。先輩と社長と僕の3人きり。入社直後から制作案件のディレクションを任されていたのですが、当時はデザインのスキルがなかったので社外のデザイナーの協力を得ながら進めるという体制でした。けれど、それだとコストもかかるし、デザイナーとのやり取りする時間も必要で、何かと非効率で。「なんとかせな、あかん」と見よう見まねでイラストレーターを触り始めて、やっていくうちにチラシやパンフレットのデザインができるようになりました。

ーーたしか、今の会社は社長と2人きりだとお聞きしましたが...

実は僕が入社して3年後に、先輩は再独立されたんですよ。先輩を頼りに入社したような形でしたが、その間にデザインもできるようになっていたし、培ってきたコピーライティングのスキルを活かしながら制作にうちこめるようになっていました。入ったばかりのころは、自分でできることも少なく、先輩に気を遣っていた部分も大きかったんですが、その頃にはやっと自分の力で結果を残せるようになったと自信がついていたのも大きかったと思います。

より良く働くための環境づくり

ーー社長と二人体制になって変化はありましたか

自分のやりたいことを形にしやすくなりました。会社に対して自分なりの意見を伝えたり、働き方についても色々と提案するようになりました。

ーーたとえばどのような?

仕事の時間を自分でコントロールさせてもらっています。最低限の規則はありますが、休みたいときに休んで、仕事時間が必要な時には仕事をして...帰りが遅くなった翌日は少し出社を遅らせるなど、フレキシブルな時間の使い方をしています。また、新たな人とのつながりを求めて、コワーキングスペースで仕事をしたいということも提案しました。今はこの京創舎をメインの職場にして、大阪の事務所に出社するのは週に1〜2回です。他には、自分の屋号も作りました。株式会社フォグランプの中に僕の運営するブランド「制作事務所ペンジョイ」があるんです。

ーー「ペンジョイ」は、橋本さんだけの屋号ですか?

そうです。僕の「コピーライターがデザインもつくる」という特色が、「フォグランプ」のままだと伝わらない。ちょうどブランディングという考え方に興味を持ち始めていた時期でもあったので、まずは自分で体現しようと屋号をもつことにしました。

ーーいずれも社長は反対されなかったんですね

最初は少し難色を示していましたけど、最終的には「やってみたら」と言ってくれました。自分のやりたいことに注力できる環境を作ってくれている、社長にはすごく感謝しています。だから僕も今のところ独立する気はありませんし、会社をもっと良くしていきたいという思いで色々と考え、チャレンジしていきたいと思っているところです。

ーー常に新しいことにチャレンジするバイタリティ、すごいと思います!

後悔したくないという思いが強いんですよ。実は僕、21歳の時に癌で入院してるんです。抗がん剤治療をして、一命を取り留めたという経験があって。そこで人生観が変わった。生きてるって素晴らしいって心から思いました。そういう経験があって、悔いの残らない人生を送ろうと何事にもチャレンジできるんだと思います。

コワーキングでの出会いが創る、この先の仕事

ーー現在、京創舎で仕事をされていますが、コワーキングで仕事をしようと思った目的はどんな所にあるのでしょうか

先ほど少しお話した、色んなことができる人と繋がりをもつということ。その目的は、単に仕事が発注できる、紹介してもらえるだけの関係性じゃなくて、一緒に意気投合する人を見つけたいなというのがそもそもここにきた理由なんです。今、僕のもつスキルはWEBや紙媒体だけですが、ブランディングの考え方をベースにユニフォームやディスプレイ、建物まで包括して提案できることを目指しているので、その時に一緒に取組める方と繋がりたいと思っています。

ーー具体的には、どういった方たちと繋がっていきたいですか?

どんな業種の方でも気が合えばとてもうれしいですが、特に建築業界の方と繋がりをもちたいですね。今はまだ具体的な案件があるわけではありませんが、京創舎で共に過ごすなかで、互いのアイデアを交換したり、知識を共有しあえる環境で意気投合できる方と出会えたらうれしいですね。

ーー橋本さん、ありがとうございました!

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