京創舎Blog
2018年03月27日(火) #スタッフ日記 #書籍紹介 #河野日記
【書籍紹介】哲学っていうか人生相談!?身近なことを『ソクラテスに聞いてみた』
京創舎ドロップイン会員である藤田大雪さんの著書『ソクラテスに聞いてみた 人生を自分のものにするための5つの対話』を読みました。この本は「ソクラテスって誰?」っていう人から、「無知の知」ぐらいしか知らない人を対象に書かれた哲学の入門書、人生の指南書です。
お金、恋愛、身近なテーマ
「うわ、難しそう」と思ったり「興味ない」と思ったそこのあなた、この本で取り扱われているテーマはあなたの人生にも関係あります。例えば、「一緒にいて楽しかったら、それは友達?」とか「楽しそうに仕事をしている人はモテやすい」とか、誰にとっても身近な話題が取り上げられています。哲学と何の関係があるの?と思ってしまうかもしれません。しかしそれらのテーマに沿って、哲人ソクラテスが一緒に考えてくれます。
テーマは5つに分かれており、友達、恋愛、仕事、お金、結婚と、悩める現代人にとって興味深い話題ばかりに踏み込んでいます。いわゆる哲学用語もほとんど出てこず、誰にでもわかるように書かれており、哲学ってみんなに関係のあることじゃないかと思わせられます。
- 友達:友達とは「一緒にいて楽しい人」でも「自分を成長させてくれる人」でもない。なぜなのか?どうすれば本当の友達ができるのか?
- 恋愛:どういう恋をしていくべきなのか?恋に値する人間とは?
- 仕事:適性はやってみないとわからない。人生の価値とは?人から認められるために自分を誤魔化すことのツケ。
- お金:「どうしてそんなにお金の心配をしているんだい?」「貧乏を耐えるくらい、べつにどうってことないさ。僕が恐れるのは無知と悪徳だけだ」人間の値打ちは何を愛し求めるかによって決まる。
- 結婚:結婚によって幸せになる人も、不幸せになる人もいる。結婚の本来的な働きは何か?恋と愛は違う。
ソクラテスくん
この本は、さらに読みやすいことに対話形式になっています。それも「ソクラテスとの対話」といった堅苦しいものではなく、物語調になっています。残業ばかりの日々を送っている会社員の清水サトル(27)は、ある日facebook上で友達申請を受けます。プロフィールを見ると
名前:ソクラテス
年齢:70歳
職業:哲学者
出身地:アテナイ
特技:人生相談
座右の銘:「善く生きろ」「魂の世話をしろ」「おのれの無知を自覚せよ」
とあります。清水サトルは頭のおかしいおっさんの奇行だと思い、友達申請を拒否します。しかし、自称ソクラテスから届くメッセージ。
「やあ、サトルくん。いまちょうど、キミの家のすぐそばのアゴラ公園にいるよ。このあと何か予定はある?よかったらいまから一緒に哲学しない?」
ホラー映画かっ!!という展開ですが、日々の退屈さから外れた物珍しさに惹かれて、サトルくんは自称ソクラテスに会いに近所の公園へ向かいます。
そこには教科書で見たようないでたちをしたソクラテスが待っていました。現代に見るその姿はまるで奇人のホームレス。サトルくんはそんなホームレスの話に引き込まれていきます。まるで人生の核心を突いていると。ソクラテスは日常の喧騒で忘れかけていた、善く生きるための基本的な指針をわかりやすく教えてくれます。詳しい内容が気になった方は、本を手に取ってみましょう。京創舎で借りることもできます。
他にも本を出されています
藤田さんは大学の講師でありつつ古代ギリシャ哲学の研究者であり、古代ギリシャ語で書かれた哲学書の翻訳業もされています。ご興味お有りの方はそちらのほうもチェックされてみてはいかがでしょうか。
京創舎には学者、クリエイター、翻訳家などといったフリーランスのお仕事をされている方が数多くいらっしゃいます。京創舎で知り合ったきっかけで、普段接点がないような作品に触れたり、ご自身の仕事の刺激になったり、新しいビジネスのきっかけになることもあるでしょう。コミュニティを主体としたコワーキング、京創舎という場を利用するにあたり、そのような機会を目一杯活用いただければと思います。
京創舎スタッフ 河野