京創舎Blog
2017年06月29日(木) #イベントレポート #スタッフ日記 #山口日記
【イベントレポート】創業3年を乗り越える!経験してわかったスタートアップのイロハ
3年目の壁!『創業3年を乗り越える!経験してわかったスタートアップのイロハ』と題し、今回はまさにその壁を乗り越えた講師をお招きして開催されたイベントのレポートをお送りします。
「どうやって乗り越えたの?何を考えていたの?どんな技を使ったの?聞きたいことは山ほどある!」それほどまでに3年目の壁を乗り越えることは困難を極めます。3年目で生き残るのは30パーセント。まさにスタートアップしたての人の心をつかむテーマです。
6/14夜の開催でしたが、京創舎に来るのは初めてという参加者が多数来場し、興味の強さからかぐいぐい前に出る状態でイベントは始まりました。
今回の講師はこちら!
【講師紹介】
板井 恒理(株式会社Credo Ship. 代表取締役)
株式会社Credo Ship. 2014年6月創業
キャリア教育事業(インターンシップコーディネート、キャリア教育プログラムの企画・運営他)
ビジネス研修事業(戦略MG研修、セミナーの企画運営、新卒研修、営業研修他)
プランニング事業(営業支援システムの開発と販売、事業企画、営業企画のアウトソーシング他)
など、キャリア教育や研修に関わる事業を展開。
講師の板井さん曰く、「今回のイベントは、ゆるくやりたい、目立ちたくない、そう思っていたのに...」参加者はスタッフも入れて20人越え。スタートアップ後、生き残ることについての関心の高さが伺えます。
公開する勇気
『CREDO その失敗の軌跡』と題したスライドを用意して下さった手前、板井さんは予想外に多かった人の前で堂々(?)と失敗を語り始めました。
元は高校教師を目指していたそうですが、社会経験も必要だよね!と思い、5年間会社員をしてみようと大手一般企業に就職。マーケティングに強い会社だったのでマーケティングについて体得し転職、完全歩合制の生命保険の会社に勤めることで自由に時間を使い稼ぐ方法を体得し独立起業されたのだそう。(転職・起業の顛末について詳しくは板井さんへ...)
そのあとはライフラインチャートを使いながら、怒涛の自己開示。語り口があまりに面白く、一番大事なところと思える部分が「するっ」と抜けそうになりなるのを、なんとか食らいついてメモを取りましたが、追い付かず...。いやもう、本当に事件おおすぎ...。(詳しくは板井さんへ...)
現在は、本来教師を目指しておられたことから教育事業を手掛け、研修事業を収益の柱にし、マネジメントゲームの販売など、どんどん事業内容を増やしています。事業が増えていくのは、自分の仕事が増えていくこととイコールです。増えた仕事をマルチタスクでこなしつつも、ご自身を追い詰めていく様子が、この後生々しく語られていきます。(詳しくは板井さんへ...)
赤裸々すぎる告白。思考回路の違いで家族関係にもひびが入る
多すぎる自己開示の中で、一番大きなトピックは「嫁のNPOで揉めた」。端的に話せばこれだけの言葉になってしまいますが、これは思考回路の違いからくる齟齬(そご)が原因で、最終的には夫婦関係にもひびが入るほどの大きな事件だったようです。収益を得ないと会社は立ち行かない。思いを強くしないと社会に貢献できない。その狭間で板井さんも悩むことも多かったようです。仕事のパートナーである奥様とのやり取りの中で、板井さんが病気であるか否かを病院で確かめるような事態にまで発展していきます。今では、嫁「やりたい」俺「金にする」と役割を割り切って捉えなおし、大波を乗り越え事態は収束に向かったようです。
「思いが強いと収益にならない。いかに収益を上げるか」「嫁とは仕事をするな」と、しみじみ語っておられたのがとても印象的でした。
板井さんの教訓的なもの
最後に、板井さんの話のなかで、これはキーワードかなぁと山口が思ったものをいくつか上げてみます。
- 創業時は仲間を見つけることが大変であり、大切である
ビジネスパートナーと言葉ではあっさり言えますが、そのパートナーを見つけることがどれだけ大変か。コミュニケーション能力の有無、信用、信頼のおける仲間を得ることがいかに重要か、とても身に染みている様子でした。(詳しくは板井さんへ...)
- 人への投資はとても大切である
これも言葉では簡単にいえてしまいますが、いざ人に投資するということになると、リスクやリターンがどれほどなのか全く未知数なので、信用信頼に値する人をいかに見極めて資源を突っ込んでいくかという話になるのだと思います。採用をするときに、それなりの経費がかかりますが、採用の経費より、成長してもらうための経費がどれほどかということだと思うのです。私事ですが、子供を4人育ててみて、この経費たるやえげつないものです。しかも、信頼することが大前提で、信頼していないと相手に感づかれたりしたら、反抗する、不登校になる、それはもうえらいことになるのです。人への投資を侮ることなかれ。そういう風に私は聞こえました。
- 営業キャッシュフローの重要性
「あの会社、倒産したんだって!」と、売れ売れの商品を作っていた会社がつぶれてしまうという事例はたくさんあり、知っている方もたくさんおられると思います。営業キャッシュフローはざっくり言えば現金のこと。これの管理がしっかりしていないと、きちんと仕事を受注して業務が回っている会社でも、倒産してしまうことになります。板井さんの会社は得意先様との関係がよく、資金がショートしそうになった時を切り抜けることができましたが、その話もほんの半年前の話。臨場感あふれすぎで、震えが来ました。
苦しみを笑いとばすこと
板井さんから語られる生々しい物語の数々。本当は苦しかったことを楽しい話にして笑い飛ばすことで昇華しておられる姿に、メンタルの強さと、人に頼れる弱さの両方を兼ね備えていることを感じました。強い部分については、頭の回転の速さ、起業するまでの人脈、メンタル、運、チャンスを掴む度胸などがありますが、それは弱い部分を受け止める人がきちんといるから機能しているのだと思います。その受け止める人は、学生時代からの仲間なのか、ビジネスパートナーなのか、奥様なのか想像する部分ではあるのですが、ある意味、人をたらして巻き込んでコミュニケーションを最大にとって何かを動かし、サポートを得ているのだなぁ、という印象を持ちました。
交流会という名の...
講演の後は、「板井さんにもっとざっくばらんに話を聞こう!」という掛け声のもと、座談会となりました。館長の高橋が腕によりをかけて作ったおつまみが並ぶなか、板井さんは話をがっつり聞きたいという熱気に包まれ、ぐいぐい来る参加者にとり囲まれてしまいました。板井さんに深く質問する方、参加者同士で議論する方、思いを熱く語る方、皆さん時間の許す限り交流を深め、会は無事にお開きとなりました。
これから、ますます発展していく株式会社Credo Ship. 。
今後もドラマを作り続けていくことでしょう!
(板井さんはH29年7月から京創舎の2階に入居されます。会員になると詳しく話が聞けるかもしれません...)
京創舎スタッフ 山口